SPDの接地抵抗

電気・電子機器を雷サージから保護するためにSPDを設置する際は、SPDを接地に接続する必要があり、この接地の接地抵抗値は可能な限り低くすることが望ましいとされています。また、人命や建築物等を落雷から保護するためには、外部LPS(外部雷保護システム)と内部LPSの設置が必要になります。外部LPSとは、受雷部システム、引下げ導線システム、接地極システムにて構成されます。ここでは、外部LPSが設置された建築物を例に挙げ、SPDの接地抵抗値を低くすることが望ましい理由について説明します。

1:建築物等の避雷針に落雷があると、雷電流は、避雷針、引下げ導線を通って接地極へと流れ込みます。
2:接地極に流れ込んだ雷電流と接地極の接地抵抗値によって、接地極周辺の大地の電位が上昇します。このとき、接地抵抗値が大きいほど大地電位が上昇します。
3:この大地電位上昇によって遠方の機器の接地との間に電位差が生じて、電源線路等に接続されたSPDを経由して雷電流が、遠方の接地へと流れます。

大地電位上昇が大きい程これに起因した雷電流も大きくなり、上図のようにSPDを介して機器側の接地に雷電流が流れた際に、SPDの焼損や機器の故障等が発生する可能性があります。そのため、接地抵抗は可能な限り小さくして大地電位上昇を低く抑えることが重要です。雷被害の波及を抑止するためにも重要です。

低圧電源線路・通信線路では接地抵抗値の規定はありませんが、例えば、高圧配電で用いられている避雷器や避雷設備の接地抵抗値はA種接地(10Ω以下)が要求されています。

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