直撃雷に対する耐雷トランスの使い方(鉄道システムのような特殊な場合を除く)

落雷(直撃雷)による雷電流が接地へと放流されると、避雷針が接続されている接地極の大地電位が上昇して、異なる接地との間に電位差が発生します。

このとき、発生した接地間電位差によって絶縁破壊が起こった場合、接地間に雷電流が流れます(落雷(直撃雷)によって発生する電位差は非常に大きいため、耐雷トランスの耐電圧を破壊してしまうことがあります)。

この場合、「被保護機器→耐雷トランス→接地(柱上変圧器)」の雷電流経路が形成され、被保護機器が被害を受けてしまう可能性があります。

直撃雷の恐れが考えられる場合(鉄塔や高構造物を備えた建物など)、耐雷トランスの一次側にクラスI SPD(直撃雷用のSPD)を設置する対策が効果的です。

クラスI SPDを設置することで、電位差を耐雷トランスの耐電圧以下に制限することができるため、耐雷トランスの耐電圧破壊が起こらず、被保護機器に雷電流が流れることもありません。

機器にかかる電圧は耐雷トランスの効果によってSPDの制限電圧(SPDによって制限された電位差)の1/1000以下に抑えられるため機器の耐電圧破壊も起こりません。


SPDと耐雷トランスを併用した場合の実験波形

実験回路

耐雷トランス1次側(V1)の波形

1次側に接続されたSPDによって雷サージが制限され、耐雷トランスに印可される電圧は最大でSPDの動作電圧以下(上記の場合は約1,500V以下)となります。耐雷トランスの耐電圧は一般的に30kV以上となっているため、耐電圧破壊は発生しません。

耐雷トランス2次側(V2)の波形

2次側の電圧は耐雷トランスの効果によって大幅に減衰されます。そのため、二次側に接続される被保護機器の雷リスクを最小限に抑えることができます。