雷サージとインパルス

雷サージとは、雷によって金属線路に発生する異常電圧および電流のことを示しています。インパルスはこのような雷サージに対する対策品(SPD、耐雷トランスなど)を評価するために用いる人工的に作られた試験波形です。

雷サージ電圧に対する耐電圧性能を確認する際には、1.2/50μsの電圧インパルスが用いられます。この波形は波頭長/波尾長であらわされています。波頭長は電圧がピーク値に達するまでの時間(µs)を表し、波尾長はピーク値の50%まで減衰する時間(µs)を表しています。絶縁物の耐電圧性能や耐雷トランスのインパルス耐電圧、電圧スイッチング部品の放電開始電圧の評価などに用いられています。

SPDの評価にはいろいろなインパルスが用いられています。上記の1.2/50μs以外に電源用SPDでは、8/20μsの電流インパルスや10/350μsの電流インパルスが用いられています。8/20μsは、公称放電電流In、電圧防護レベルUpの評価に用いられています。10/350μsはクラスI試験対応電源用SPDの追加の責務試験で用いられています。

SPDの中でもクラスIII試験対応電源用SPDの評価には、コンビネーション発生器が用いられます。コンビネーション発生器とは発生器の出力端子開放時の電圧波形と発生器の出力端子短絡時の電流波形が決められている発生器です。クラスIII試験対応電源用SPDには1.2/50μs(電圧波形)、8/20μs(電流波形)のコンビネーション発生器が用いられます。

また、通信用SPDの電圧防護レベルUpの評価にも1.2/50μs(電圧波形)、8/20μs(電流波形)のコンビネーション発生器が用いられます。

インパルスリセット(サージが侵入して、SPDが動作後に元の絶縁状態に回路が復帰する時間)の評価には10/700μs(電圧波形)、5/300μs(電流波形)などのコンビネーション発生器または10/1000μs(電圧波形、電流波形)を用います。また、特定の業種では10/200μs(電圧波形、電流波形)を用いる場合があります。