夏季雷と冬季雷

雷には、夏の上昇気流に伴って発生する夏季雷と、冬の寒冷前線に沿って発生する冬季雷があります。それぞれの発生過程や発生地域など、夏季雷と冬季雷の違いについてご紹介します。

夏季雷

の上昇気流に伴って発生する雷を、夏季雷や熱雷といいます。

発生

夏の山岳部東南の斜面は、強い太陽にさらされて、昼頃には斜面付近からの上昇気流が強くなります。地表気温が30℃でも、高度8300mではマイナス20℃位であるため、上昇気流は高度が上がる程に激しくなり、入道雲が形成されます。ここで条件が(空気の移動速度、空気中の水蒸気の量、気温)整うと、雷が発生します。 これが夏季雷です。

上昇気流中の水蒸気が減少して、潜熱の放出が少なくなり遂に周辺大気と 上昇気流の温度差がなくなると気流の上昇が止まり、ここが雲頂となります。しかし、下からの上昇気流は継続しているので雲の下方にて雷は続いて発生しています。山岳部で発生した雷雲は発達しながら内陸部に降りてきて海岸部近くで夕方消滅するケースが多いです。 

特徴

一度発生すると2〜3日続くことが多いのが、夏季雷の特徴です。

地域

日本において夏季雷の多い地域は、北関東、中部山岳、奈良盆地、北九州、南九州地方です。

比較的湿度の高い日本では寒冷前線の通過時などの地表面と上空との温度差が大きいと季節を問わずに発生します。気象情報で「大気の状態が不安定」と言われる日は要注意です。

2024年2月5日にも首都圏で雷が観測されました。雪の降る中の雷はかなり珍しい現象です。

冬季雷

冬の寒冷前線に沿って発生する雷を冬季雷といいます。冬季雷は世界的にも珍しく、日本の日本海沿岸とノルウェー西岸、アメリカの5大湖で観測されています。

発生

冬の日本では、大陸からの冬の冷たい季節風と暖かい対馬暖流からの暖められた水蒸気により、日本海上で雲が発生します。これが季節風に乗って平野部に上陸。主に、平野部から山岳部にかかる標高数100〜1000mあたりで雪を降らすと共に落雷し、その後乾燥した風だけが太平洋側に吹き抜けます。

特徴

冬季雷は、放電時間が長く、エネルギーが非常に大きいのが特徴です。

また、冬季雷は60mを超す高い構造物が存在すると集中的に落雷します。これは、冬季雷の雷雲の雲底が、夏季雷の雲底と比較して非常に低く(300〜500mしかない)、そのため60m程度の構造物でも雷界集中が激しく、上向きの先駆放電が発生するためです。 

地域

日本における冬季雷の発生地域

  • 北海道西沿岸から北九州北沿岸の、海岸線から内陸20〜30Kmの範囲
  • 四国の佐田岬から松山の間の海岸地帯(年差が大きい)

夏季雷と冬季雷の比較

夏季雷と冬季雷の違いがわかるよう、特長などを比較しました。

項目 夏季雷 冬季雷
発生時期
落雷頻度
雷雲の高さ

高い

(3,000m~5,000m)

低い

(300m~500m)

落雷エネルギー比(夏季雷を1とした場合)

1

10~100くらい

関連リンク

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