多段防護回路

多段防護回路とは

応答速度の速い半導体素子(ABD)と電流耐量の大きい素子(GDT)をインピーダンス(抵抗)で結合した回路です。

多段防護回路の一例(H型回路)

多段防護回路は、通信、信号回線(耐電圧が非常に小さい機器を保護する場合)に有効な回路です。

ABDとGDTのメリットとデメリット

・ABD:
応答速度が速いため、雷サージを瞬時に動作して低電圧に抑えることができますが、電流耐量が小さいため、大きな雷サージが侵入した場合は破損してしまい、機器を保護できない可能性があります。

・GDT:
電流耐量が大きいため、大きな雷サージが侵入した場合でも破損するリスクは低いですが、応答速度が遅いため、雷サージを瞬時に低電圧に抑えることができず、通信機器のような耐電圧が低い機器の場合、機器を十分に防護できない可能性があります。

素子 応答速度 電流耐量
ABD 速い 小さい
GDT 遅い 大きい

多段防護回路は、ABDとGDTのデメリットを解消し、メリットを活かした保護回路です。

多段防護回路の動作(※以下の映像は音声が流れます)